ベチバーという精油、使ってますか?
第一印象が強烈。エグい土の香りを持ち、
ブレンドすることで深みのあるアジアンな香りを作るベースノート。
ゲランの香水ベチバーにはもちろん、
様々な男性用香水や、シャネル5番にも、入っているそうで。
スピリチュアルな面でも「大地」と関わり、守護の力が強く、
鎮静のほか、皮膚の湿潤、抗菌、抗炎症効果も期待でき
今回は、そんなベチバーの「学名」について調べたので、記しておきます。
ベチバー。イネ科の多年草で、草丈2mになるススキに似た大型の草本。
根に強い芳香を持ち、香料として広く用いられている。と。
アロマ検定1級のテキスト(AEAJ)によりますと、
あそこに書かれてるベチバーの学名は
Vetiveria zizanioides
ベチベリアですって。
ベチベリアは現地の言葉、タミル語で「まさかりで刈る」と表記されていますが、
ネットで調べてみても植物としてのベチバーばっかり検索されますわ。
翻訳サイトさんに入れてみると、
https://mymemory.translated.net/ja/英語/タミル語/cut-root
ベチがCutで、ベルがRootじゃねえかこれ?
「根っこを切る」って意味になりそうなのだけど……
ヒンディー語でも「ver(ベル)」は根っこですって。
まさかりはどっから出てきたんだべ。
「まさかりで刈る」を信じて記事書いてる人も多いのになあ。
言語詳しい人、情報もとむ、です。
「掘り起こした根」とも。
ちなみに、グーグル翻訳によると、
ベチバーはシトロネラになっちゃいました。……ちがくね!?
(グーグルさん、レモングラスもシトロネラになっちゃうんです。)
まあイネ科で、似たような草ですけども。
そんなグーグルさんですが、
浅く広く勉強するには便利なのでどんどん使いますよ!
ひきつづきベチバーをグーグル検索にかけてみると
Chrysopogon zizanioides
ベチバーの記事のほとんどは、こっちで表記されています。
クリソポゴンですって。
クリソはギリシャ語で「黄金の」の意味。
宝石のクリソベリル(金緑石)のクリソと同じですね。
(クリソとつくものは緑のものが多いような気がするけどな)
ポゴンは同じくギリシャ語で「ひげ」の意味です。
虎とかのヒゲじゃなくて、男の頰に生えてるような鬚(ひげ)の意味だと思われる。
アゴヒゲトカゲがPogonaですしね。
植物の学名にもよく使われているようです。
ジャノヒゲOphiopogon(ophio蛇+pogonヒゲ)
パチュリPogostemon(pogoヒゲ+stemon糸)
レモングラスCymbopogon(Cymbo舟型の容器+pogonヒゲ)
〜〜余談〜〜、
ジャノヒゲOphiopogonの「opio」はギリシャ語の蛇、とのことです。
グノーシス派オフィス主義のオフィスと同じ語源ですね。
イブに知恵のリンゴをあげた蛇を肯定する宗派のようですが、専門外なので割愛します。
ギリシャ神話の創生竜オピオーンとも同じ語源。
(放課後サモナーズのオピオーン様は、可愛いので大好きです)
神話は好きですが、専門外なので割愛します。
レモングラスCymbopogonの「cymbo」はギリシャ語のkymbeに由来し
「舟」を意味するという記事があったりしますが
どうやら水に浮かぶ舟ではなくて、陶器製の浅い器のことのようです。
用途については「unknown use」という文章を見つけました。用途不明。
「バスタブ、洗面台のような容器」とか「舟型の容器」とか書いてましたね。
〜〜余談、以上〜〜
で、結局ベチバーはベチベリアなの? クリソポゴンなの?
どっちやねんってなったので調べて見たら、
こちらにスッキリ答えがあったのでリンクしときます↓↓
http://www.vetiversolutions.info/2008/11/is-it-vetiveria-or-chrysopogon_301.html
(海外のサイトじゃねーか。英語なんて受験以来だよ!)
ざっくりざっくり要約すると、
Vetiveriaという名前は、スウェーデンの分類学者カール・フォン・リンネが、
約1世紀前、1903年〜1906年ぐらいに分類したものです。
Chrysopogonは、1999年にオランダの分類学者ヤン・フレデリク・フェルトカンプが、
VetiveriaとChrysopogonの両者には形態的相違点がないことを確認し、
Chrysopogonに統合された、ということのようです。
分類学上は現在Chrysopogonですが、
歴史の長い植物ということでVetiverのほうも慣用的に使われているのでしょう。
そんなに高価でもなく普通に購入できます。
生活の木のベチバー貼っておきますね。
ベチバーはインド周辺では日除けのスダレにも使われていて、
石鹸やクリーム等のスキンケアにも何世紀も前から使われ、
ベチバーを使った有名な香水も1910年代から続々あるようですし、
もうこの辺まで突き詰めて調べると、ネットでは限界です。
何世紀ごろから使われているのかとか、どういった製品があるのかとか、
この、不思議な精油について、引き続き調べていきたいと思います。
以上です。